消費者センターに競馬詐欺の相談をするのは正しいのか?

消費者センターとは一体何なの?

独立行政法人『国民生活センター』にて、商品やサービスなど消費生活全般に関する苦情や問合せなど、消費者からの相談を専門の相談員が受け付け、公正な立場で処理業務にあたっている部署を消費生活センターなどと呼びます。

正式名称というと少し難しいですがこれらをざっくりとまとめて消費者センターという呼び、全国の各自治体に設置されています。

消費者センターでは、購入した商品に関する苦情、契約上のトラブル、その他消費生活に関する相談を受け付け、問題解決のための助言やあっせんを行っています。

競馬詐欺で消費者センターに相談をする

消費者センターに相談をする

競馬詐欺に遭ってしまった場合に、消費者センターに相談、問い合わせをするとどうなるのか?

まず、競馬詐欺に遭った人は、便宜上『情報という商品を購入した』ということになっているかと思うので、消費者センターでも相談を受け付けてくれます。

相談をするにはどうしたらよいのか?

相談をするには

各自治体によって問い合わせ連絡先に違いがありますが、消費者ホットライン(全国統一番号)というのがあり、とりあえずここに聞いてみるという方法もありです。

・消費者ホットラインは、「誰もがアクセスしやすい相談窓口」として開設されたものです。
・相談を受け付けるにあたっては、円滑な相談処理を実施するために、氏名、住所、電話番号、性別、年齢、職業をお聞きします。
・土日祝日は、都道府県等の消費生活センター等が開所していない場合、国民生活センターに電話がつながります。(一部地域や年末年始、国民生活センターの建物点検日を除く)
・IP電話など、一部の電話からはつながりません。
・通話料金はご利用の電話会社のサービスによって異なります。窓口へおつなぎする前には、「○○秒ごとに、およそ○○円」というアナウンスが流れます。携帯電話会社の通話料定額サービス等でも、別途ナビダイヤル通話料が発生します。

また、住所と共に消費者センターと検索することで、自治体の消費者センターを見つける事が出来ると思うので、そちらに電話を入れましょう。

消費者センターは何をしてくれるのか?

何をしてくれるのか?

実際に相談をした結果、消費者センターは何をしてくれるのかというと、いつ、どこで、誰にどういった経緯で商品を購入し、どういった理由で詐欺であると断定しているのか?などを聞かれます。

それらを聞いた相談員が判断し、詐欺ではないというような時には、消費者へのアドバイスにとどまることもありますが、多くの場合は競馬詐欺を行ったであろう業者に対して直接コンタクトを取ってくれて返金に応じて貰えるようにとはたらきかけてくれます。(仲介する形で話をしてくれる)

この時点で詐欺業者が返金に応じてくれるという可能性もあります。

競馬詐欺による消費者センター相談の概要

消費者センター相談の概要

悪質な競馬情報会社、悪徳競馬予想サイトの数が軒並み増え続けている事から、相談件数も上昇傾向にあることが伺えるわけですが、実際に消費者センターにはどのようなケースで相談があるのか?以下にご紹介いたします。

契約当事者の属性

(1)年代別
 年代別では、40歳代が1,624件(21.5%)、30歳代が1,344件(17.8%)、50歳代が1,329件(17.6%)と続いており、30歳代から50歳代の契約当事者が半数以上を占めている。
(2)男女別
 男性が6,046件(80.0%)、女性が1,414件(18.7%)と、約5分の4が男性からの相談である。
(3)職業等別
 給与生活者が4,133件(54.7%)、無職が1,641件(21.7%)、自営・自由業が582件(7.7%)、家事従事者が441件(5.8%)となっており、半数以上が、給与生活者からの相談である。

契約購入金額、支払方法、販売購入形態

(1)契約購入金額(不明・無回答は除く)
 契約購入金額は10~50万円未満が1,514件と一番多く、100~500万円未満が1,018件と続いている。なお、契約購入金額の合計額は約48億3,600万円、契約購入金額の平均金額は約89万3,000円である。
(2)支払方法
 現金払いが5,798件と全体の76.7%を占めている。
(3)販売購入形態
通信販売が5,518件(73.0%)、電話勧誘販売が1,190件(15.7%)となっており、ほとんどが、通信販売と電話勧誘販売である。

主な相談事例

主な相談事例

【事例1】「必ず当たる」と巧みに勧誘し次々と情報料を要求する業者

大衆紙に掲載されていた競馬情報の広告をみて興味を持ったので、500 円を業者の銀行口座に振り込み、こちらから連絡をして予想情報を教えてもらった。しかし、予想は外れたところ、業者から謝罪の連絡があり、「26 万円を払えば必ず当たる情報を提供する」と言われ、情報料 26 万円を支払った。後日、業者から電話があり、「追加で 10 万円払えばよりよい情報が得られる」と言われたので、業者の言葉を信じて追加で 10 万円支払った。ところが、予想情報は全く当たらなかったので苦情を言ったところ、「別の会社の情報を総合的に活用する。別の会社から情報を入手するために追加で費用が必要である」などと言われ、損を取り戻したいという思いから、追加で18 万円を支払った。それでも全く当たらず騙だまされたと気がついた。支払ったお金(約 54 万円)全額が戻ってくるとは思っていないが、少しでも返してほしい。

【事例2】「八百長レース情報」を提供すると勧誘する業者

インターネットで競馬予想会社のホームページを見つけた。ホームページ上から住所・氏名・携帯電話番号を入力し、運転免許証のコピーを指示通りに FAX で送り、2,100 円の登録料を振り込んだ。
その後業者から電話があり、「無料の情報もあるが、750 万円入る八百長レースの情報がある。15 万円振り込んでくれれば、八百長レース情報を提供する」と言われた。15 万円は用意できないと答えたら、3 万円に減額されたので、3 万円ならと思い口座に振り込んだ。しかし、心配になり業者情報をインターネットで調べたところ信用できなくなったので返金してほしい。

【事例3】「デキレース」の情報があると勧誘し、借金を誘導する業者

知らない業者からメールが入った。メールの内容に興味を持ち、業者の競馬情報サイトにアクセスし、無料情報に申込みをしたところ、業者から電話があり「『デキレース』という着順を話合いで決めるレースがあり、情報料を払えば着順を教える。1 万円かければ 1,600 万円になり、確実に儲もうかる」と言われた。お金がないと伝えると貸金業者で借りればいいと促され、借金し結局105 万円振り込んだ。ところが、受け取った情報を元に馬券を購入したが、全く当たらなかった。返金してほしい。

【事例4】「払ったお金は保証する」と勧誘し信用させる業者

知らない業者から電話があり、「競馬のすごい情報がある。代表者が仲間内でやっている情報がある」などと言われ 50 万円を振り込んだ。しかし、情報を渡すには追加で 10 万円必要と言われ、話が違うと苦情を伝えると 5 万円に値引きされたので、追加で 5 万円を振り込んだ。その後代表者から情報が漏れて提供できなくなったという内容の謝罪の手紙が届いた。その後、業者から「いい情報がある、払ったお金は保証する」と言われ、代表者から手紙が届いたこともあり信用してしまい、今までに支払ったお金を取り戻したい気持ちもあり、業者に示唆され、消費者金融から借金をして総額で 300 万円以上を支払った。しかし、全く儲からないので解約したい。

【事例5】「八百長だが、JRAも認めている」と勧誘する業者

インターネットで、競馬情報で儲もうかるというサイトに登録し、1 万円を払って情報を入手した。その後業者から電話で、「18 万円支払えば、230 万馬券の情報を提供する。このレースは八百長まがいだが、JRA も認めているので何の問題もない」などと勧誘され情報料 18 万円を振り込んだ。
しかし、情報は外れたため、業者に返金を求めたが全く相手にされなかった。借金もあり生活が苦しい。

【事例6】クレジットカード現金化の方法を教える業者

的中率がいいという競馬情報があるとメールが入り、興味をもって業者に連絡した。最初は、3カ月 5,000 円の情報料を契約し、指示通り馬券を購入したが当たらなかった。予想が当たらないと苦情を言ったところ、業者は「馬主が話し合ってやる仕込みレースの枠があいたので、10 万円払えば情報を提供する。1レース 100~150 万円儲もう
かる。また、更に高い情報料を払えば別のレースも紹介する」と勧誘された。お金がないと伝えると、業者からクレジットカードで新幹線チケットを購入して現金化する方法を教えられ、情報料合計で 70 万円を業者に振り込んだ。確実に当たると言われたのに約束が違うので返金してほしい。

相談事例から見た問題点

相談事例から見た問題点

・勧誘方法が詐欺的である

「八百長レース」「デキレース」「JRA も認めている」などの情報の存在は、およそ考えがたく、このような勧誘方法は詐欺的である。また、仮に「必ず当たる」情報であれば、他人に教えることはあり得ない。そもそも、競馬には様々な不確定要素があることから、「必ず当たる」情報はあり得ない。
さらに、本当に「八百長レース」が存在したとすれば犯罪行為であり、それに加担することは絶対に行ってはならないので、このような勧誘をする業者とは絶対に関わってはならない。

・無料または低廉な金額のはずが高額な情報料を請求される

無料の情報や、低廉な金額ならと思い安易に競馬予想情報サービスに申し込みをすると、「必ず当たる」「確実に儲もうかる」「八百長レースの情報がある」など巧みな勧誘、詐欺的な勧誘により、高額な情報料の勧誘、請求を受け、支払いが高額になることがある。

・クレジットカード現金化の方法を教えて金策を行わせる

「情報料が高い、支払う金銭がない」など業者に伝えるとクレジットカード現金化の方法を教えて金策を行わせる相談がみられるが、クレジットカード現金化は問題があるので絶対に行ってはならない

・業者と連絡がとれない。また、業者が交渉に応じない

消費者や消費生活センターが業者に対して連絡を取ろうとしても、すでに連絡がとれなかったり、連絡がとれても全く交渉に応じないケースが見られる。

消費者へのアドバイス

・「絶対儲(もう)かる」などのセールストーク、記載に惑わされないこと
・借金をしてまで競馬予想情報サービス料を支払わないこと
・返金の可能性は極めて低いことを認識すること
・競馬の予想と勝馬投票券(馬券)の購入は自分の責任と判断で行うこと

要望先

要望先

・日本中央競馬会(JRA)

従前から日本中央競馬会(JRA)は「悪質な予想・情報提供業者(高額な情報料・過大広告等)にご注意ください」注 3 とホームページ等で注意喚起を呼びかけている。しかし、「競馬予想情報提供サービス」に関する相談件数は年々増加傾向にあり、今年度も前年度を上回る相談が寄せられている現状がある。
また、悪質な予想情報提供業者から予想情報を入手した消費者は、ほぼ必ず馬券を購入するために、競馬場、場外発売場(ウインズ)、JRA の電話・インターネット投票サービスを利用すると思われることから、被害の未然防止、拡大防止の観点から JRA には更なる消費者への注意喚起を要望する。

情報提供先

情報提供先

・消費者庁 政策調整課
・警察庁 生活安全局 生活経済対策管理官
・警察庁 刑事局 捜査第二課

消費者センターに競馬詐欺で相談しても返金してもらえないの?

競馬詐欺で相談しても返金してもらえないの?

消費者センターからの連絡で競馬詐欺業者が返金に応じてくれることがないとは言い切れませんが、弁護士と比べるとやはりそのインパクトも薄いですし、これをもって返金に応じてくれる可能性というのは、かなり低いです。

ただ、何もしないよりはプレッシャーにはなりますし、ここで動じないようであれば弁護士、警察へとステップアップしていく形で返金を迫るというのも良い方法だと思います。

まとめ

消費者センター 競馬詐欺

競馬詐欺に遭ってしまったからということで、まず無料で相談できる先として消費者センターを選択するというのは、間違いではありません。

運が良ければこの時点で返金に応じてくれるかもしれないからです。

ただ、詐欺事件は総じて、詐欺被害に遭ってしまった瞬間から如何に短時間で相手に証拠などを突き付けて詐欺を立証できるか?が勝負となります。

というのは、返金を迫ったとしても、そのお金が既に無くなってしまっていれば、払えるものも払えない、とされてしまいますし、もたもたしている間に会社が潰されてしまっていたり、業者が夜逃げなどでいなくなってしまう事もあるからです。

その為、消費者センターへの連絡が時には仇となる可能性もあります。

問い合わせをすることで、消費者センターから詐欺業者へと連絡が行き、返金を申請してきたということを知られてしまうからですね。

相手に準備時間をみすみす与えてしまうということにもなりかねないリスクはあるかもしれないという風には頭の片隅には入れておきましょう。

そして何より、騙されないようにすること、騙されてしまって返金をして貰いたいと考えている場合には、即行動するように心がけましょう。